腰部脊柱管狭窄症とは

これまでは、腰痛についてお書きしてきましたが、腰が原因で起こる症状として、

坐骨神経痛があります。これは、臀部や下肢が痛くなったり、しびれたりします。

ひどくなると、足の動きが悪くなったり、歩くのが困難になったりします。

腰痛との違いは、一般的に腰痛は腰の筋肉の炎症により起こるのが多いのに対し、

坐骨神経痛は腰の神経の炎症によって起こります。

なぜ、神経の炎症が起こるかというと、神経が通るトンネルの部分(脊柱管といいます)が

年齢とともに狭くなり、神経が圧迫されるのが主な原因です。これを腰部脊柱管狭窄症といいます。こちらに詳しい画像が載ってますので、ご参照下さい。

しかし、神経の圧迫があっても、坐骨神経痛が起こるとは限りません。これは、膝痛や腰痛と同じです。われわれの最新の調査では、重度の腰部脊柱管狭窄症がある方でも、坐骨神経痛があるのは、17.5%にすぎません(Ishimoto Y, et al. Osteoarthritis Cartilage 2013)。症状が出るかどうかのカギを握っているのが、やはり炎症です。狭窄があるところに、無理がかかって炎症が起こると、坐骨神経痛が生じてきます。ですので、逆に言うと、炎症を抑えてあげれば、坐骨神経痛は治すことができるわけです。

前回書いた仙骨裂孔ブロックは、まさに神経の炎症を抑える方法であります。具体的には、尾骨のあたりから注射することにより、比較的安全に神経の炎症部分に、直接炎症止めを流すことができますので、かなり効果的です。

ただし、血の止まりにくい薬をお飲みになっている方や糖尿病の方は、少し注意が必要です。

腰部脊柱管による坐骨神経痛の治療法としては、もちろん注射だけでなく、飲み薬もありますが、その話は次回に。

患者さんのための整形外科最新情報 腰痛・膝痛からしびれ まで

2月より練馬区下石神井(上井草駅7分、新青梅街道沿い)にて、むらき整形外科クリニックを開業する事になりました。 ホームページでは、膝痛や腰痛、しびれなどの症状や変形性膝関節症、腰部脊柱管狭窄症、骨粗鬆症、ロコモ、サルコペニアなどをわかりやすく解説します。

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